歴代の流行語
1990〜2009年/120件を収録
2009年(平成21年)の流行語 →
2009年の流行語は、政治と雇用の言葉が目立つ。年間大賞の「政権交代」は8月の衆議院選挙から、「派遣切り」は前年のリーマン・ショックのあと契約が相次いで打ち切られたことから来ている。一方で「草食男子」「歴女」「ファストファッション」は人の好みや暮らしぶりを名づけた言葉で、「こども店長」は自動車のCMで店長を演じた加藤清史郎につけられた呼び名だった。
2008年(平成20年)の流行語 →
2008年の流行語は、働くことと暮らしにまつわる言葉が並んだ。「名ばかり管理職」は肩書きだけを与えて残業代を払わない扱いを指し、日本マクドナルドの店長が受賞している。「蟹工船」は1929年の小説が働き方への関心から売れ直したもので、「後期高齢者」はこの年4月に始まった医療制度から広まった。年間大賞はエド・はるみの「グ〜!」と、ドラマから広まった「アラフォー」の2つ。「ゲリラ豪雨」もこの年の言葉である。
2007年(平成19年)の流行語 →
2007年の流行語は、人につけられた呼び名が目立つ。年間大賞の「(宮崎を)どげんかせんといかん」は知事になった東国原英夫の言葉、もう一つの「ハニカミ王子」はアマチュアで優勝したゴルファー・石川遼につけられた呼び名だった。「そんなの関係ねぇ」は小島よしお、「どんだけぇ〜」はIKKOと、お笑いから2語が入っている。残る2語は世の中を映していて、「ネットカフェ難民」は住居を持たない働き方を、「猛暑日」は気象庁がこの年から使い始めた35度以上の日を指す。
2006年(平成18年)の流行語 →
2006年の流行語は、6語のうち3語がスポーツと本から出ている。年間大賞の「イナバウアー」はトリノで金メダルを取った荒川静香の技、「ハンカチ王子」は夏の甲子園を制した早稲田実業の斎藤佑樹につけられた呼び名だった。もう一つの年間大賞「品格」は藤原正彦の『国家の品格』から広まっている。残る3語は世の中の見方を映していて、「格差社会」は景気の回復が全体に届かない実感を、「ミクシィ」は招待制のSNSを、「メタボリックシンドローム」は腹囲を気にする空気を表した。
2005年(平成17年)の流行語 →
2005年の流行語は、6語のうち3語が政治から出ている。年間大賞の「小泉劇場」と、郵政民営化に反対した議員へぶつけられた候補を指す「刺客」は、どちらも夏の解散総選挙が生んだ言葉だった。もう一つの年間大賞「想定内(外)」はライブドアの堀江貴文が使った言葉である。残る3語は別の場所から来ていて、「フォーー!」はレイザーラモンHG、「萌え〜」は秋葉原のメイドグループ、「ブログ」は「鬼嫁日記」のブロガーが受賞した。
2004年(平成16年)の流行語 →
2004年の新語・流行語大賞の年間大賞は「チョー気持ちいい」だった。アテネオリンピックの競泳で金メダルを取った北島康介が、直後のインタビューで発した一言。同じ年に選ばれた「自己責任」は4月のイラク日本人人質事件で被害者に向けられた言葉で、受賞に値する人々への配慮から「該当者なし」という異例の扱いになっている。ほかには『冬のソナタ』から広がった「冬ソナ」と「韓流」、小説と映画の『世界の中心で、愛をさけぶ』の略称「セカチュー」、オリックスと近鉄の合併に始まる「球界再編」があった。
自己責任4月
4月のイラク日本人人質事件で、被害者に向けられた言葉。流行語大賞に選ばれたが、受賞に値する人々への配慮から「該当者なし」となった。
- 流行語
- 社会
チョー気持ちいい8月
アテネオリンピックの競泳男子100m平泳ぎで金メダルを取った北島康介が、直後のインタビューで発した一言。この年の年間大賞。
- 流行語
- スポーツ
冬ソナ
韓国ドラマ『冬のソナタ』の略称。日本での放送が「冬ソナ現象」と呼ばれる社会現象になり、主演のペ・ヨンジュンは「ヨン様」と呼ばれた。
- 流行語
- 韓国ドラマ
球界再編
オリックスと近鉄の合併発表から始まった一連の騒動。9月には日本のプロ野球史上初のストライキが行われ、11月の楽天の新規参入につながった。
- 流行語
- プロ野球
2003年(平成15年)の流行語 →
2003年の新語・流行語大賞の年間大賞は「毒まんじゅう」「なんでだろう〜」「マニフェスト」の3つだった。政治の言葉と、お笑いコンビのネタと、選挙の新しい作法が並んだ形になっている。「マニフェスト」は11月9日の衆議院総選挙で各党が数値や期限を入れた公約を掲げたことから広まった。ほかに4月刊行で450万部を超えた養老孟司の『バカの壁』、4月に新感染症へ指定されたSARSがあり、年末の今年の漢字は阪神タイガースの18年ぶり優勝から「虎」が選ばれた。
2002年(平成14年)の流行語 →
2002年の新語・流行語大賞の年間大賞は「タマちゃん」と「W杯(中津江村)」の2つだった。どちらも報道が繰り返し取り上げて全国区になった言葉で、タマちゃんは8月に多摩川へ現れたアゴヒゲアザラシ、中津江村はカメルーン代表のキャンプ地になった大分県の村を指す。政治と社会の側では、9月の日朝首脳会談で北朝鮮が認めたことで「拉致」が日常の語になり、鈴木宗男をめぐる「ムネオハウス」も広まった。1月の雪印食品の牛肉偽装をきっかけに「内部告発」が、4月からの新しい学習指導要領で「ゆとり教育」が言われるようになった年でもある。
ゆとり教育4月
授業時間と内容を減らしてゆとりを持たせる教育方針。2002年度から新しい学習指導要領で本格的に始まり、学力低下をめぐる論争を呼んだ。
- 流行語
- 教育
中津江村6月
ワールドカップでカメルーン代表のキャンプ地になった大分県の村。選手団の到着が遅れたことで連日報道され、坂本休村長とともに全国区になった。年間大賞の1つ。
- 流行語
- サッカー
タマちゃん8月
2002年8月に多摩川に現れたアゴヒゲアザラシの愛称。連日の報道で人気者になり、この年の年間大賞に選ばれた。
- 流行語
- 動物
タマちゃんと同じアゴヒゲアザラシ(2002年・カナダ) 撮影: Ansgar Walk / CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commons
2001年(平成13年)の流行語 →
2001年の新語・流行語大賞の年間大賞は、特定の1語ではなく小泉純一郎首相の「小泉語録」だった。「米百俵」「聖域なき構造改革」「骨太の方針」はいずれもその中の言葉で、政権発足からの半年で一気に広まっている。政治以外では、この年に成立したDV防止法とともに「ドメスティック・バイオレンス」が一般語になり、10月からの牛の全頭検査で「狂牛病」が食卓の話題になった。トップテンには缶コーヒーのCMから広がった「明日があるさ」も入っている。
明日があるさ
坂本九の曲を下敷きにしたCMから広がった言葉。ウルフルズとRe:Japanの2つのカバーが合わせて100万枚を超え、流行語大賞のトップテンに入った。
- 流行語
- CM
2000年(平成12年)の流行語 →
2000年の新語・流行語大賞は年間大賞が2つ選ばれ、慎吾ママの朝のあいさつ「おっはー」と、インターネットが社会を根本から変えるとされた「IT革命」が並んだ。子どもの遊びと経済政策の言葉が、同じ年の頂点に立ったことになる。シドニー五輪からは金メダルを取った高橋尚子の愛称「Qちゃん」と、柔道の田村亮子が大会前に語った「最高でも金、最低でも金」が生まれ、クラブや若者のあいだでは「パラパラ」が再燃した。
おっはー
香取慎吾扮する「慎吾ママ」の朝のあいさつが子どもを中心に大流行。この年の新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれた。
- 流行語
- テレビ
慎吾ママを演じた香取慎吾(写真は後年) 撮影: sean / CC BY-SA 2.0, Wikimedia Commons
Qちゃん
シドニー五輪で金メダルを獲得した高橋尚子の愛称。親しみやすいキャラクターとともに、日本中で呼ばれる名前になった。
- 流行語
- スポーツ
「Qちゃん」と呼ばれた高橋尚子(写真は2008年) 撮影: Steve Nelson / CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commons
1999年(平成11年)の流行語 →
1999年の流行語は、プロ野球から出た言葉が2つ入っている。松坂大輔の発言をきっかけに広まった「リベンジ」と、上原浩治が自らを表した「雑草魂」で、どちらも新人選手の言葉がそのまま世の中の語彙になった例である。「ブッチホン」は小渕恵三首相が話題の人物へ突然自ら電話をかけたことから生まれ、「カリスマ美容師」「カリスマ店員」の形で使われた「カリスマ」は若者のあこがれを表した。一方の「学級崩壊」は、授業が成立しないほど教室の秩序が乱れる状況を指し、教育現場の課題として議論を呼んでいる。
ブッチホン
小渕恵三首相が話題の人物へ突然自ら電話をかけたことから生まれた言葉。親しみやすい人柄を象徴し、この年の新語・流行語大賞に選ばれた。
- 流行語
- 政治
自ら電話をかける流儀が話題になった小渕恵三首相(写真は1998年7月30日) 内閣官房内閣広報室 / CC BY 4.0, Wikimedia Commons
リベンジ
「雪辱・報復」を意味する英語が日常会話に広まった。松坂大輔の発言をきっかけに一気に浸透し、この年の流行語となった。
- 流行語
- スポーツ
この言葉を使った松坂大輔(写真はのちのレッドソックス時代) 撮影: Wknight94 / CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commons
学級崩壊
授業が成立しないほど教室の秩序が乱れる状況を指す言葉。教育現場の課題として社会的な議論を呼び、広く使われるようになった。
- 流行語
- 教育
日本の中学校の教室(写真は後年) 撮影: Darklanlan / CC0, Wikimedia Commons
雑草魂
プロ野球でブレイクした上原浩治投手が自らを表した言葉。ハングリー精神で這い上がる姿勢が共感を呼び、流行語となった。
- 流行語
- プロ野球
この言葉を掲げた上原浩治(写真は2006年) 撮影: 新村宏 / CC BY 3.0, Wikimedia Commons
ミッチー・サッチー
3月末に始まった浅香光代と野村沙知代の批判合戦が、ワイドショーや週刊誌の格好の題材となった。この年の新語・流行語大賞トップテンに入っている。
- 流行語
- 芸能
1998年(平成10年)の流行語 →
1998年の流行語は、笑いと不安が同じ年に並んでいる。お笑いコンビ・パイレーツの「だっちゅーの」が年間大賞に選ばれてポーズごと真似され、38年ぶりの日本一に貢献した佐々木主浩の「ハマの大魔神」がプロ野球から広まった。一方で銀行が融資を絞る「貸し渋り」は長引く金融不安を、「環境ホルモン」は健康と環境への不安をそのまま言い表し、赤瀬川原平の著書から出た「老人力」は老いを前向きに捉え直す発想として支持された。政治からは「凡人・軍人・変人」が入っている。7月の自民党総裁選で田中眞紀子が小渕恵三・梶山静六・小泉純一郎の3人を評した言い方で、のちに3人とも首相か首相候補になったことで長く引かれる言葉になった。
だっちゅーの
お笑いコンビ・パイレーツの決めポーズとともに大流行したギャグ。この年の新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれ、子どもから大人まで真似をした。
- 流行語大賞
- お笑い
ハマの大魔神
横浜ベイスターズの守護神・佐々木主浩投手の愛称。38年ぶりの日本一に貢献した圧倒的な抑えっぷりから、この年の流行語として広く定着した。
- プロ野球
- 横浜ベイスターズ
本拠地の横浜スタジアム(写真は後年) 撮影: 横浜1978 / CC BY-SA 4.0, Wikimedia Commons
老人力
赤瀬川原平の著書から広まった言葉。もの忘れなどの老化を「衰え」ではなく前向きな『力』と捉え直す発想が支持され、流行語トップテンに入った。
- 流行語
- 書籍
凡人・軍人・変人7月
7月の自由民主党総裁選で、田中眞紀子が候補の3人を評した言葉。小渕恵三を「凡人」、梶山静六を「軍人」、小泉純一郎を「変人」と呼び、この年の新語・流行語大賞トップテンに入った。
- 流行語
- 政治
3人をこう評した衆議院議員・田中真紀子(写真は2012年) 文部科学省 / CC BY 4.0, Wikimedia Commons
1997年(平成9年)の流行語 →
1997年の流行語は、作品から出た言葉と個人の楽しみを指す言葉が並ぶ。渡辺淳一の小説と映画から広まった「失楽園」が大賞に選ばれ、みうらじゅんが広めた「マイブーム」や、庭やベランダで草花を育てる「ガーデニング」がトップテンに入った。一方で金融不安の年らしく橋本内閣の金融制度改革を指す「日本版ビッグバン」が、海外からはダイアナ元英皇太子妃の事故死をきっかけに「パパラッチ」が広く知られるようになり、前年からの「たまごっち」も残っている。
マイブーム
自分の中だけで盛り上がっている個人的な流行を指す言葉。イラストレーターのみうらじゅんが広めたとされ、その後も定着して使われ続けている。
- 流行語
- 文化
この言葉を広めたみうらじゅん(写真は2016年) 撮影: Dick Thomas Johnson / CC BY 2.0, Wikimedia Commons
たまごっち
前年からのブームが続いた育成玩具が、この年の流行語トップテンにも選ばれた。品薄や転売が社会の話題になったことを映し出す一語となった。
- 流行語
- おもちゃ
品薄が続いたたまごっち(写真は後年) 撮影: Tomasz Sienicki / CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commons
パパラッチ
有名人を執拗に追う報道カメラマンを指す言葉。ダイアナ元英皇太子妃の事故死をきっかけに世界的に注目され、日本でも広く知られるようになった。
- 流行語
- 国際
パパラッチに追われた末に事故死したダイアナ元皇太子妃(写真は1997年) 撮影: John Mathew Smith / CC BY-SA 2.0, Wikimedia Commons
日本版ビッグバン
橋本内閣が掲げた大規模な金融制度改革を指す言葉。銀行・証券・保険の垣根を崩す自由化を意味し、金融不安の年の空気を映してこの年の流行語トップテンに選ばれた。
- 流行語
- 経済
ガーデニング
庭やベランダで草花を育てる趣味を指す言葉。この年に一気に広まって流行語トップテンに入り、園芸用品の売り場が拡大するきっかけになった。
- 流行語
- 生活
1996年(平成8年)の流行語 →
1996年の流行語は、スポーツと若者文化から半分ずつ出ている。巨人の長嶋茂雄監督が逆転優勝を言い表した「メークドラマ」が年間大賞に輝き、アトランタ五輪で銅メダルを取った有森裕子の「自分で自分をほめたい」が並んだ。若い世代からは安室奈美恵をまねる「アムラー」とコギャル言葉の「チョベリバ・チョベリグ」が広まり、政治の側では民主党結成をめぐる「友愛/排除の論理」が注目された。
自分で自分をほめたい
アトランタ五輪で銅メダルを取った有森裕子がレース後に語った言葉。全力を尽くした自分を認めるフレーズとして、その年の流行語大賞に選ばれた。
- 流行語
- スポーツ
アトランタ五輪で銅メダルを獲得した有森裕子(写真は2008年) 撮影: Joi Ito / CC BY 2.0, Wikimedia Commons
メークドラマ
巨人の長嶋茂雄監督が逆転優勝までの戦いを表現した和製英語。劇的な展開を指す言葉として広まり、流行語大賞の年間大賞に輝いた。
- 流行語
- 野球
この言葉を使った巨人・長嶋茂雄監督(写真は2021年) 大臣官房人事課 / CC BY 4.0, Wikimedia Commons
アムラー
歌手・安室奈美恵のファッションをまねる若い女性を指す言葉。細眉・茶髪・ミニスカートに厚底ブーツというスタイルが全国に広がった。
- 流行語
- ファッション
チョベリバ・チョベリグ
「超ベリーバッド」「超ベリーグッド」を縮めたコギャル言葉。女子高生を中心に使われ、若者言葉のノリの良さを象徴する流行語となった。
- 流行語
- 若者文化
友愛/排除の論理
民主党結成の過程で鳩山由紀夫が用いた言葉。誰と組み誰を外すのかという政治の駆け引きを象徴し、その年の流行語として注目された。
- 流行語
- 政治
この言葉で知られた鳩山由紀夫(写真は2007年) 撮影: kagi rie / CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commons
閉塞感(打開)
行き詰まった空気を言い表す言葉として広まり、新語・流行語大賞のトップテンに選ばれた。受賞者は沖縄県民大会で発言した高校生だった。
- 流行語
- 世相
1995年(平成7年)の流行語 →
1995年は新語・流行語大賞の年間大賞が3つ選ばれた年で、「無党派」「NOMO」「がんばろうKOBE」がそろって頂点に立った。政治の地殻変動、野茂英雄のメジャー挑戦、震災に見舞われた神戸を勇気づけたオリックスのリーグ優勝と、その年の空気がそのまま言葉になっている。トップテンには震災とサリン事件で崩れた「安全神話」と、Windows 95を追い風に広がり始めた「インターネット」が並び、EAST END×YURIから広まった「だ・よ・ね」が日本語ラップを茶の間へ届けた。
無党派
既成政党の枠にとらわれない有権者を指す言葉。青島幸男らの当選を背景に注目され、新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれた。
- 流行語
- 政治
「無党派」旋風で知事が誕生した東京都庁舎(写真は後年) 撮影: Markus Leupold-Löwenthal / CC BY-SA 3.0, Wikimedia Commons
NOMO
メジャーリーグで旋風を巻き起こした野茂英雄の名。現地で「NOMO」コールが響き、日本でも流行語大賞の年間大賞に輝いた。
- 流行語
- 野球
ドジャースで投げる野茂英雄(写真は2003年) 撮影: Ryosuke Yagi / CC BY 2.0, Wikimedia Commons
がんばろうKOBE
震災に見舞われた神戸を本拠地とするオリックスが掲げた合言葉。この年リーグ優勝を果たし、被災地を勇気づけて年間大賞に選ばれた。
- 流行語
- 野球
オリックスが本拠地とした神戸の球場(写真は後年) 撮影: Totti / CC BY-SA 4.0, Wikimedia Commons
インターネット
Windows95の登場を追い風に、一般家庭へと広がり始めた通信網。この年の流行語トップテンに選ばれ、本格的なネット時代の入口となった。
- 流行語
- IT
当時普及したウェブブラウザ Netscape Navigator 2 の画面 Indolering / CC0, Wikimedia Commons
1994年(平成6年)の流行語 →
1994年の流行語は、テレビから出た言葉と不況から出た言葉が並んで立つ。宮沢りえのCMの「すったもんだがありました」とドラマ『家なき子』の「同情するならカネをくれ」がお茶の間発で、「価格破壊」と「就職氷河期」はバブル崩壊後の経済と雇用をそのまま言い表した言葉だった。オリックスの鈴木一朗が210安打の日本記録を達成した「イチロー(効果)」もこの年で、以後の活躍の出発点になっている。
すったもんだがありました
俳優・宮沢りえがCMで語った言葉。話題の多かった1年を振り返る表現として、その年の流行語大賞に選ばれた。
- 流行語
- CM
この台詞のCMに出た宮沢りえ(写真は2014年) 撮影: Dick Thomas Johnson / CC BY 2.0, Wikimedia Commons
イチロー(効果)
オリックスの鈴木一朗が「イチロー」の登録名で210安打の日本記録を達成。その活躍が社会現象となった。
- 流行語
- 野球
登録名「イチロー」で活躍した鈴木一朗(写真は2014年) 撮影: Scinsvche / CC0, Wikimedia Commons
就職氷河期
バブル崩壊後、新卒の就職が非常に厳しくなった状況を指す言葉。この年の新語として広まった。
- 流行語
- 労働
求職者が通ったハローワーク(写真は後年の新宿) 撮影: Asanagi / CC0, Wikimedia Commons
1993年(平成5年)の流行語 →
1993年の流行語は、6語のうち「Jリーグ」「サポーター」の2語がサッカー由来で、5月の開幕がそのまま言葉になったことを示している。「規制緩和」や中野孝次『清貧の思想』から広まった「清貧」は、バブルが崩れたあとの経済と価値観を映した言葉だった。残る「聞いてないよォ」はダチョウ倶楽部の決まり文句、「お立ち台」はディスコ「ジュリアナ東京」のステージから広まっている。
サポーター
Jリーグの開幕とともに広まった、チームを熱心に応援する人を指す言葉。応援文化の広がりを象徴した。
- 流行語
- サッカー
浦和レッズのサポーター(写真は後年) 撮影: Tony110886 / CC BY 2.0, Wikimedia Commons
規制緩和
経済の立て直しをめぐる議論の中で盛んに使われた言葉。政治・経済のキーワードとして定着した。
- 流行語
- 経済
受賞者はMKタクシー会長の青木定雄だった(写真は後年の京都のMKタクシー) 撮影: Ippei Suzuki / CC BY 2.0, Wikimedia Commons
お立ち台
ディスコ「ジュリアナ東京」のフロア脇に設けられた高さ130cmほどのステージ。扇子を振って踊る光景が話題となり、大衆語部門に選ばれた。
- 流行語
- 風俗
1992年(平成4年)の流行語 →
1992年の流行語は、バブル崩壊後の空気がそのまま言葉になっている。いくつもの要因が重なって長引く不況を指す「複合不況」と、定職に就かずアルバイトで生計を立てる若者を指す「フリーター」が、この年の景気と働き方を言い表した。政治をめぐる騒動から広まった「ほめ殺し」、複雑な心境を表す「うれしいような、かなしいような」を含め、4語とも世の中の割り切れなさを映す言葉だった。
複合不況
バブル崩壊後、いくつもの要因が重なって長引く不況を指す言葉。その年の新語として注目された。
- 流行語
- 経済
不況が深刻化した年の東京証券取引所(写真は後年) 撮影: ehnmark / CC BY 2.0, Wikimedia Commons
うれしいような、かなしいような
名古屋の双子の姉妹、成田きんと蟹江ぎん(きんさん・ぎんさん)の言葉。「はだかのおつきあい」とともに、この年の新語・流行語大賞で年間大賞に選ばれた。
- 流行語
- 話題
冬彦さん
TBS『ずっとあなたが好きだった』で佐野史郎が演じたマザコン夫の呼び名。この年の新語・流行語大賞で流行語金賞に選ばれた。
- 流行語
- ドラマ
冬彦を演じた佐野史郎(写真は2024年) 撮影: Dick Thomas Johnson / CC BY 2.0, Wikimedia Commons
1991年(平成3年)の流行語 →
1991年の流行語はテレビから出た言葉が目立ち、チャーリー浜の「…じゃあ〜りませんか」が年間大賞に、ドラマ『101回目のプロポーズ』で武田鉄矢が叫んだ「僕は死にましぇん」が大衆部門の金賞に選ばれた。『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の企画から出た「ダンス甲子園」も同じ部門の銅賞に入っている。一方で新語部門の金賞はバブル崩壊後の証券不祥事から出た「損失補填」だった。大相撲の若花田・貴花田を指す「若貴」がお茶の間の人気をそのまま言葉にし、「火砕流」は6月の雲仙普賢岳の噴火をきっかけに一般へ浸透している。
僕は死にましぇん
ドラマ『101回目のプロポーズ』で武田鉄矢が叫んだ台詞。ドラマの人気とともに流行語となった。
- 流行語
- ドラマ
この台詞を叫んだ武田鉄矢(写真は後年) 文部科学省 / CC BY 4.0, Wikimedia Commons
若貴(わかたか)
大相撲の若花田・貴花田の兄弟を指す言葉。人気力士として注目を集め、相撲ブームを牽引した。
- 流行語
- 相撲
弟の貴花田、のちの貴乃花光司(写真は2011年) 撮影: 江戸村のとくぞう / CC BY-SA 4.0, Wikimedia Commons
火砕流
雲仙普賢岳の噴火をきっかけに広く知られた言葉。火山災害の恐ろしさとともに、一般に浸透した。
- 流行語
- 災害
雲仙普賢岳の火砕流とその堆積物(USGSの記録写真) USGS / K. Scott / パブリックドメイン, Wikimedia Commons
損失補填
証券会社が大口顧客の損失を穴埋めしていた問題が明らかになり、この年の新語・流行語大賞で新語部門の金賞に選ばれた。バブル崩壊後の証券不祥事を象徴する言葉である。
- 流行語
- 経済
証券不祥事の舞台となった東京証券取引所(写真は後年) 撮影: ehnmark / CC BY 2.0, Wikimedia Commons
ダンス甲子園
日本テレビ『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の企画「高校生制服対抗ダンス甲子園」の略称。1990年から翌年にかけて計3回開かれて全国的なブームとなり、この年の新語・流行語大賞で大衆部門の銅賞に選ばれた。
- 流行語
- テレビ
1990年(平成2年)の流行語 →
1990年の流行語は、好景気の残り香とその終わりが同居している。地価や株価の高騰を指す「バブル経済」がこの年に広く使われるようになり、イタリア料理を指す「イタ飯」や、おじさんのように振る舞う若い女性を指す「オヤジギャル」、女性を車で送り迎えする男性を指す「アッシーくん」が、まだ華やかだった空気を映した。「ファジィ」は曖昧なものを扱う技術をうたう家電から広まり、1月に始まったアニメの「ちびまる子ちゃん」は作品名そのものが世相の言葉になっている。
イタ飯
イタリア料理を指すおしゃれな言い方。ティラミスなどのブームとともに、外食の話題を賑わせた。
- 流行語
- グルメ
イタ飯ブームで親しまれたパスタ(写真は後年) 撮影: Gerda Arendt / CC BY-SA 4.0, Wikimedia Commons
アッシーくん
女性を車で送り迎えする男性を指したバブル期の俗語。同じ頃に「メッシーくん」「ミツグくん」も使われ、この年の新語・流行語大賞では表現賞に選ばれた。
- 流行語
- バブル経済